IMS5000はGRP5000にIMU(慣性計測装置)を取り付けた計測器で、鉄道に特化したMMS(モービルマッピングシステム)です。GRP5000がレーザースキャナによる軌道周辺の断面計測に特化したものだったのに対し、IMS5000はそれと同時に軌道も計測出来るようになりました。レーザースキャナによる断面データと、IMUによる軌道データを組合せる事により、軌道周辺の現況の三次元データを作成する事が可能となりました。
機器の概要
IMS5000は台車に内蔵されているカント、ゲージセンサーで軌道中心を、レーザースキャナで軌道周辺データを、IMUで軌道情報を計測します。その3つのデータを同期させる事によって、軌道及び軌道周辺のデータを移動しながら全て取得します。基本的な移動速度は時速4㎞となっており、通常歩く速度で計測が行えます。
一般的なMMSとの違い
一般的なMMSは現在位置の情報を主としてGPS/GNSSから取得し、GPS/GNSSで取得出来ない区間をIMUによって補間します。軌道座標や軌道中心を計測する機能をもたないため、軌道や軌道中心から見た軌道周辺状況は計測出来ません。IMS5000は現在位置の情報は全てIMUから取得し、軌道周辺の基準点やGPS/GNSSで補正する方法を使用しています。使用しているIMUは軌道計測用に開発されたもののため、計測したデータは軌道及び軌道中心からの距離で非常に高い精度を有します。取得した三次元データを軌道データと連携させて活用出来る点が一般的なMMSとの違いとなります。
取得データ
点群データ
3Dスキャナーでの計測結果をもとに点群データを作成出来ます。
建築限界調査
GRP5000と同様に建築限界の調査が行えます。
軌道調査
計測した軌道データを元に軌道調査が行えます。一般的な軌間、水準、通り、高低は勿論、より高度な長波長調査や、座標による変位量調査も可能です。